口から肛門まで ウンチの体を巡る旅

食べた物が食べてから便になるまで、約9mある消化管でさまざまな作用を受けます。どのようにして便ができるか気になる人もいるのではないでしょうか?そこでこの記事では、保健師である筆者が、口から食べ物を食べてから、肛門から便として排出されるまでを解説いたします。
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口から食道まで

食べ物は口からまず入り、咀嚼され細かくされます。だ液にはいくつかの消化酵素が含まれており、食べ物の消化を助けます。中でもだ液に含まれている「アミラーゼ」と呼ばれる酵素は、デンプンを分解する酵素。ごはんをよく噛むと甘い味に変わるのは、ごはんに含まれているデンプンが糖類に分解されているためです。

咀嚼によって噛み砕かれた食べ物は、だ液を混ざり合わさることで、食道をスムーズに通過すること可能になります。食べ物をよく噛まないで、早く飲み込んでしまう行為は、食べ物が細かくドロッとした状態にならないので、むせ込みの原因に。

食事をよく噛んで食べることは、消化吸収にも良くその後の胃腸の負担を軽くすることにつながります。

 

胃に到着し消化が開始

食べ物が胃に到着すると、その刺激で胃酸が分泌されます。胃酸は「酸」という言葉がつくように、強い酸性の性質があります。胃はぜん動運動をしながら、胃酸と食べ物が混ざり合います。その後胃酸の作用を受けた食べ物は粥状に。

また、胃酸には食べ物を消化するだけでなく、殺菌効果もあり、食べ物と一緒に入ってくるバクテリアなどから体を守る役目もあります。胃そのものが胃酸によって消化されない理由は、胃の全体が胃酸を通さない粘液で覆われているためです。

空腹時、胃は握りこぶし1つ分くらいの大きさですが、胃の筋肉は風船のように伸縮自在で、満腹時には1.5L程度まで容量を増やすことができます。食べ物の種類にもよりますが、食べ物が胃に滞在する時間は2~3時間程度です。

胃酸でドロドロになった食べ物は、粘液で中和されたのち、次の小腸へと少しずつ送られていきます。

 

小腸では大部分の分解と吸収が行われる

小腸はお腹の中に縮まるように収まっており、伸ばすと約7mもある消化管です。小腸の内部は絨毛(じゅうもう)細胞と呼ばれる突起状の細胞がびっしりと生えており、その表面積は、テニスコート2面分もあるといわれています。

小腸は部位別に十二指腸、空調、回腸に分かれています。十二指腸では主に食べ物の分解が行われ、空調と回腸で吸収が行われます。十二指腸では、食べ物はそれぞれの栄養素に対応する酵素によって、食べ物の90%が分解されます。

食べ物の小腸の滞在時間は3~5時間程度とその長さの割には比較的早く通過します。分解された栄養素は空腸と回腸で吸収されたのちに肝臓へ運ばれ、残りは大腸へと送られていきます。

 

大腸へ到着!便の形成が始まる

食べ物が大腸に届くといよいよ便が作られ始めます。大腸に着いた食べ物は、ほとんど栄養素は残っておらず、いわばカスのようなもの。大腸で、最後に液状となった食べ物に含まれている水分や電解質が吸収されて便となります。

大腸は区間ごとに、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸と分かれています。最初は液体状であった食べ物のカスも、細胞の死骸など体の不要物と合わさりながら、便が形成されていきます。結腸を通過するごとに水分が吸収されていくので、便も液状から粥状、粥状から半固形状と、徐々に固形状に変化していきます。

ちなみに、腸には腸内細菌が100兆個住んでいます。腸内細菌の中には、便の形成を助けてくれたり、健康に影響を与える物質を産生していたりなど、私たちの体にかかわりの深いものです。特に、人間の健康に良い影響を与えるものは善玉菌、反対に悪い影響を与えるものは悪玉菌と呼ばれています。

食べ物がS状結腸までたどり着くと、便は私たちのよく知る便の状態へと完成されます。できあがった便は、いったんS状結腸部分に待機されていて、食事などの刺激により腸の動きが開始されると、便の移動が直腸へと進むように。食後に便意を感じることが多いのはこのためです。

 

直腸から肛門へ いざ排便!

直腸に便がたまると、脳に刺激が伝わり、便意が起こります。直腸の出口はすぐ肛門に。肛門には2つの筋肉の層があり、内側の筋肉は便意とともに自然にゆるみます。一方、肛門の外側の筋肉は、いきみと一緒に自分の意思でゆるませるものです。

そのため、排便もある程度は出すか出さないかをコントロールが可能となります。しかし、排便を我慢しすぎると、脳の反応が鈍くなるため、便意を感じたらすぐにトイレへ行くのが理想です。

結論

食べ物が口に入ってから便になるまでは、いろいろな消化管を通って、それぞれの場所で作用を受けます。それぞれの消化管を通過するポイントについて知っておくことは、便秘を改善することにも役立つでしょう。

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